観客を魅了した尺八の三橋貴風演奏会
2024.12.08
邦楽
三橋 貴風
尺八演奏家の三橋貴風が12月9日午後7時から、東京・築地の築地本願寺ブディストホールで「三橋貴風 尺八本曲空間曼陀羅・竹林奇譚」を開き、多くのファンを魅了した。
披露したのは京都明暗寺所傳尺八古典本曲「轉菅垣(まろばしすががき)」、「普大寺所傳尺八古典本曲「虚空」に作曲家諸井誠の「竹林奇譚」に「竹籟五章」。前二曲は二尺七寸管を使用した演奏で、後の二曲の内「竹林~」は諸井と1990年から合宿を重ねて完成した組曲だ。
この内、「轉~」は最近滅多に聞く機会が少なくなった曲で、「竹林~」は三橋の何十年ぶりの再演。「竹籟~」は将来の古典を暗示する曲だった。観客も古典と現代音楽の趣を感じさせる演奏に満足気だった。
終演後、三橋は「今回の演奏会は古典と未来の現代音楽の両極端を狙ったもので、尺八に造詣のある人よりも一般の人に聞いてもらいたいと考えていましたが、その狙いは当たったようで、とても嬉しい」と話していた。