5月19日に国立能楽堂で、出雲蓉の会

2024.04.07

邦楽

出雲蓉

   地唄舞の出雲蓉が5月19日午後2時から東京・国立能楽堂で「出雲蓉の会」を開く。迎えて五十五回。大きなバックボーンもなく、良くもこれまで続けて来たことには驚くばかりだが、当人もそれは認識しており「もう大きな会は出来ないと思います。私にとっては一つの節目の会と認識しています」という。

   とにかく演目と出演者がすばらしく豪華だ。能「敦盛」より一調一管で「中ノ舞」(小鼓・曽和正博、笛・一噌庸二)、義太夫「一谷嫰軍記 須磨浦組打の段」(舞・出雲蓉、浄瑠璃・竹本駒之助、三味線・鶴澤津賀寿)、狂言「敦盛最期」(居語り・野村裕基、狂言小舞・野村万作)、地唄「古道成寺」(舞・出雲蓉、地唄・三味線・藤井泰和)。「古道成寺」を除いていずれも敦盛をテーマにした作品ばかり。

   出雲は「一谷~」と「古道成寺」の二曲を披露するが、「一谷~」では敦盛よりもどちらかというと熊谷直実に焦点を当てて、ライフワークにしている「古道成寺」では新たな振り付けを見せる。

   出雲は「演目はこれまで命を削るようにしてやってきた中で自分の力だけで出来る物を選びました。花開けば嬉しい」と話している。

著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。