藤間掬穂が舞踊芸術賞を受賞

2024.05.07

日本舞踊

藤間 掬穂

   日本舞踊家の藤間掬穂がこのほど東京新聞主催の「第72回舞踊芸術賞」を受賞した。

   同賞は舞踊芸術の向上と発展のために設けられたもので、昨年、国立劇場で開いた喜寿記念、師籍60年の会で、紫派藤間流の流儀継承者の一人として集大成の役割を果たしたことが高く評価された。

   だが、掬穂にとって受賞は晴天の霹靂だったという。「私は特別なバックボーンも持たないだけに賞には無縁だと思っていました」と心境を語る。しかし、舞踊ファンの間では早くから藤間掬穂の技量と、弟子を育てる指導力には一目置かれる存在だった。

   四歳で母親と一緒に日本舞踊を習い始め、高校生の時、その素晴らしさに目覚め、舞踊家になることを決意した。

   受賞をきっかけにした特別なプランはないが、三回で中断している息子清元三味線方の清元美三郎との親子会を再開したいという。来年1月19日には「掬乃会」の開催が決まっている。

著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。