文部科学大臣賞に輝いた花柳基紫瑞の素顔

2024.03.07

日本舞踊

花柳基(右)の指導を受ける花柳基紫瑞

   日本舞踊協会主催の「各流派合同新春舞踊大会」で賞のトップに当たる文部科学大臣賞に輝いたのが花柳基門下の花柳基紫瑞だ。福岡市出身の三十三歳。合同新春舞踊大会には過去七回出場し、昨年の大会賞を始め六回入賞している将来を嘱望される実力派だ。

   日本舞踊をたしなんでいた母親の影響で八歳から日本舞踊を習い始め、十八歳で名取、二十一歳で師範を取得した。基の門下になったきっかけは、当時指導を受けていた師匠が基のファンだったことが縁。上京して基の母校である日大へ進学しながら内弟子として日本舞踊の修行をした。

   新春舞踊大会で披露したのは清元「北洲」。吉原を舞台に色々な人物が登場する格調高くも難しい踊りだが、「自分が踊ってみたい」と挑戦した。トップに輝くとは思いもしなかったという。

   舞踊家としての将来の夢は「良いなと思ってもらえるような踊りを踊れる舞踊家になること」と口元を引き締めた。

著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。