小唄の若宮三千代家元が後継者指名

2024.07.07

邦楽

若宮三千代家元(左)と後継候補の千世恵美

   小唄、端唄の若宮流家元若宮三千代が、このほど家元後継者を指名したことを明らかにした。指名されたのは長く家元に仕えてきた弟子の若宮千世恵美。まだ四十前の有望株だ。

   三千代家元が後継者を早々と指名した理由は、まだ若い内に大所高所に立って流儀を発展させていきたいという考えからだ。千世恵美は後継候補三人の内の一人で、これまで家元の元で二十年来、学校での指導を続けてきたことや舞踊や着付けなどにも堪能なことが買われたという。

   これに対して千世恵美は「家元のスタイルを次に伝えるようにしたい」と言葉少なげ。

   それもそのはずで千世恵美が正式に家元になるためには、三千代家元による三年間の厳しい特訓を受けて、それに合格しなければならないからだ。

   三千代家元は「特訓に合格しなければ、すべて白紙に戻します」と明言している。無事千世恵美が合格して家元になった際には三千代家元は、会長としてサポートする考えだ。

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著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。