打ち合わせなしの完全コラボ「和の饗宴」大成功

2024.07.07

日本舞踊

和の饗宴で踊る花柳歌七郎

   日本舞踊家の花柳歌七郎、音楽プロデューサーでキーボーディストでのあるホッピー神山、映像作家の石多未知行の三人がタッグを組んだ「和の饗宴」が、このほど山梨県甲府市のライブハウス桜座で開かれ、大成功のうちに幕を閉じた。

   この催しはすべてが打ち合わせなしの完全コラボレーション。昨年四月に東京都八丈島で試験的に行われたが、商業ベースで開催するのはこれが初めて。イベントは歌七郎の踊りにホッピー神山の即興演奏、これに石多のプロジェクションマッピングを被せる形で展開した。歌七郎はイベントの中で、紋付姿での素踊り、酔っ払い、女形の三態を踊ったが、即興のあまり予定時間を大幅にオーバーするハプニングも。女形では顔をこしらへ、衣装付け、鬘をのせるまでを観客に披露するなどの一幕もあり五十人を超す観客も興味津々の様子だった。

   終演後、歌七郎は「トータルで一時間強のイベントになりましたが、思いのほか疲れました。プロジェクションマッピングを意識する余裕もありませんでした」と話した。来年四月には独日協会の招きでドイツ・ミュンヘンで、このコラボを再現する予定だという。

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著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。