患者のリハビリに日本舞踊を活用千葉の病院

2018.07.06

日本舞踊

森川由基医師森川由基医師

   日本舞踊の所作を生かして身体の不自由な患者のリハビリに効果を上げている病院がある。千葉県八街市にある海保病院で、日本舞踊家で同病院の整形外科医であるある森川由基医師が、2年前のデイケアセンターの開設と共に始めた。

   森川医師は名古屋を中心に東海地区に勢力を持つ芝流芝千桜二代目家元の長男。芝千太郎の舞踊名を持つ。森川医師が以前から日本舞踊を患者のリハビリに活用出来ないか、を考えていたが、大学で音楽を学んだ梢夫人の協力もあって芝舞踊療法研究所を設立し、本格的な活動を開始した。最大の目標は「患者の身体の衰えを食い止めること」だったという。

   森川医師は「日本舞踊を利用した体操などは他にも例はあるのですが、たいていは立ち上がれる人が対象。座り放しの人向きというのはない。そこで座っていても出来るように動きを考えました」と説明する。

   動きはいたって簡単。音楽をバックに森川医師と梢夫人の動きに合わせて手を上げたり下ろしたり、つま先立ちをしたりなどの動きを続ける。もちろん動きは舞踊の所作を基にしている。

   現在は、月一回程度の講習だが、少しづつ患者にも認知されるようになり、参加者も増加傾向にある。森川医師は「患者さんには我慢出来るまで身体を動かして言っていますが、効果はあるようです」と効果を語っている。

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著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。