花柳貴彦が寿柳(としやぎ)流創流

2018.06.08

日本舞踊

寿柳貴彦寿柳貴彦

   長く花柳流と対立関係にあった花柳貴彦が、このほど同流を離脱し、新たに寿柳流を創流して独立した。5月23日の三代目花柳寿輔の祥月命日に東京都内で会見して明らかにした。

   貴彦は独立の理由を「三代目花柳寿輔が亡くなって11年。現在の花柳流は強権、独善的で昔とは全く異なるものになってしまった。日本舞踊界のためにも三代目までの芸や精神を受け継いで開かれた組織を作っていく」と説明した。流名は花柳流の柳と花柳寿輔の寿から名付けたという。

   来年11月26日に東京・歌舞伎座で二世花柳寿輔五十回忌、三世花柳寿輔十三回忌の追善舞踊会を開くことを決めており、これが実質的な創流の舞踊会になる。

   すでに貴彦サイドは約1000人に創流の案内状を送って寿柳流への参加を呼びかけているが、花柳流の名取や師範の中には以前から「弟子を貴彦さんの元で名取や師範にしてやりたい」という声がある一方「貴彦さんの考えは分かるが、花柳の名前を捨てたくはない」という考えも根強く、厳しい船出となることは必至だ。

   寿柳流の運営や名取になる方法などの質問は
【寿柳流事務局(日比谷パーク法律事務所内)】 TEL:03・5532・8888

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著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。