八丈太鼓を起用した舞踊会二つ

2017.11.03

邦楽

華雅かおる(左)と若柳美亀耀華雅かおる(左)と若柳美亀耀

   東京・八丈島の伝統芸能八丈太鼓を取り入れた舞踊会が11月に相次いで開かれることになり、舞踊界の話題になっている。

   神奈川県横須賀市を中心に活動する華雅流(華雅かおる家元)は11月12日午前11時半から横須賀市文化会館大ホールで舞踊発表会を開くが、今回は八丈太鼓の名手石井秀を招い て、日舞はもとよりバレエやダンスとのコラボを披露する。

   同流は若柳東三や花柳燕寿郎らに師事したかおる家元が「ジャンルにこだわらない活動をしたい」と平成8年に創流した。

   発表会は石井の八丈太鼓の演奏で始まり、一門による新舞踊、友情出演者の演奏や踊り、家元の振り付け集、古典舞踊、家元の長唄「五月雨」、八丈太鼓とバレエ、ダンスとの コラボと展開する。かおる家元は「お客様が楽しめる内容を目指します」ときっぱり。一方、千葉県成田周辺で活躍する若柳美亀耀は11月19日午前10時半から、芝山文化セ ンターで3年に1度の舞の会を開くが、これにも八丈太鼓の石井秀と彼とコンビを組んで活動を続けている舞踊家の花柳歌七郎が出演する。日中文化交流特別記念と銘打ったコー ナーの中でやはり、八丈太鼓に合わせて日舞、バレエ、ダンスとのコラボを披露するのだ。

   きっかけは以前、石井や歌七郎らとドイツ・ミュンヘン公演を行った美亀耀が「あの興奮をもう一度」とプランを練った。

   美亀耀はキリに「お祭り」を踊るが、「皆さんが会を心待ちにしているので、楽しいものに出来れば」と意慾を燃やしている。

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著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。