家元の奮闘が光った藤川流舞踊会

2025.08.07

日本舞踊

戻橋の一場面上が藤川澄十郎

   宗家藤川爵応亡きあと初の藤川流舞踊会が7月26日、東京・浅草公会堂で開かれ、多くのファンを集め、にぎやかで楽しい内容の濃い舞踊会となった。

   今回の舞踊会は後を託された家元藤川澄十郎が「藤川流の伝統を絶やさない」という強い意志で臨んだが、内容も盛りだくさん。こども古典、新名取の舞踊、「夏祭藤川流舞賑」、「天竜伝」と多彩なプログラムが組まれた。

   中でも目を引いたのは常磐津「戻橋」。家元が新名取の渡辺綱役藤川寿を相手に小百合、実は鬼女を演じたが、美女から鬼女への変化には、奮闘ぶりと同時に成長をも感じさせた。

   この演目では舞台から客席まで降り、また花道を経由して舞台へ戻る趣向や幕間に三味線でストーリーの展開を意識づけるなど多彩な工夫も見受けられた。

   次回への期待を感じさせて余りある舞踊会であった。

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著者情報 / Author info

真壁聖一 Makabe Seiichi

1946年 宮城県仙台市生まれ。東北福祉大学卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)で、一般芸能、伝統芸能を担当する。2017年3月退社後、フリージャーナリストへ。舞踊批評家協会員。